手形割引率とは
手形を第三者へ譲渡することで期日前であっても資金化することが可能です。
手形を期日前に現金化することを手形割引といいます。
ただし、期日前に手形割引をすると額面金額をそのまま受取ることはできません。
では、なぜ手形を現金化すると、割引料が発生するのでしょうか?
実は手形割引とは「手形を担保」に手形の額面を金融機関より借り入れるという意味と「手形を売却」したと言う2つの意味があるからです。
手形の割引料は、支払期日までの期間(日数)を元に計算します。
手形の割引日から手形の支払期日までが期間の対象になります。
要するに、手形の割引日と支払期日までの期間が長ければ長いほど割引料が高くなることになります。
手形割引率は、金融機関と専門業者によって割引率が違います。
金融機関の場合は割引依頼人の信用で違いがありますが、一方、手形割引業者の場合は、主に手形振出人の信用で変動があります。
よって、銀行のような金融機関は割引依頼人の信用が低ければ手形の割引率が高くなり、手形割引業者は手形振出人の信用が低ければ手形の割引率が高くなる傾向になります。
手形割引に関しての支払金利には、2つの利率が存在しています。
一つは「表面金利」、もう一つは「実質金利」です。
前者の表面金利とは、手形割引料を算出するときの「手形割引率」のことです。
後者の実質金利とは、手形を割引した後に受け取る金額(手取金額)から逆算した金利のことです。
受け取る金額は、手形額面金額より「手形割引料」と「取立手数料」を差し引いたものになります。
手形割引の計算式とは
手形割引料の計算は、下記の計算式で算出されます。
《計算式》
手形割引料=手形額面金額 × 支払期日までの日数 ÷ 365日 × 手形割引率(%)
《例題》年率10%の場合 100万円 × 90日 ÷ 365日 × 10% = 24,658円
【注意】
割引計算をするときには、支払期日前までの日数が必須となりますが、仮に支払期日が金融機関の休業日になる場合は、その翌営業日までの日数が加算されることになります。
割引依頼人としては、表面金利よりも実質金利が重要になりますので、手形割引をするときは割引率などの表面金利だけでなく、実質金利を計算して選ぶことが重要となります。