手元にある約束手形を直ぐにでも現金に換えたいこともあるかと思いますが、いつ現金化するのがいいのでしょうか。
- 手形の取立のしくみを解説
- 支払期日に取立をすることを忘れてしまった場合のケースを紹介
- 支払呈示期間を過ぎた取立はそうすればいいのか
手形の取立のしくみ
所持人が手形を取立てるには、手形を支払人に呈示する必要あります。
一般的には、手形交換所に手形を呈示することで、振出人に呈示したことと同じ効力が発生します。
その後、通常取引している金融機関が手形交換所に加盟しており取立を依頼しています。
支払呈示期間とは…金融機関に手形の取立ができる期間は、支払期日(満期)と、その日+2取引日です。
また、支払期日が休日の場合は、その翌日と及び2取引日になり、この3日間のことを「支払呈示期間」といわれています。
手形を持っている場合は、支払呈示の期間内に呈示する必要がありますので、取引金融機関に余裕を持って取立の依頼をしましょう。
※呈示とは、手形を振出人に見せて、手形と引き換えにお金を支払いしてほしいと請求することです。
支払呈示期間中の取立
もしも、支払期日に取立をすることを忘れてしまった場合は、どのようにするべきか、2つのケースを検討してみましょう。
支払呈示期間中に呈示しても、取立金融機関→手形交換所→支払金融機関という手順では間に合わないケースです。
所持人は支払金融機関に対して手形を呈示する方法です。
通常の流れである手形交換所を経由する交換呈示ではなく「店頭呈示」を利用します。
直接支払銀行に呈示するケースでは、事前に振出人に支払の指示を伝える必要があり、支払人の意向により処理される形です。
もし、振出人が振出指示を拒否することがあると、手形の支払いができません。
この場合は、手形訴訟をすることになります。
支払呈示期間を過ぎた取立
例えば、約束手形の流れが①(振出人)→②(裏書人)→③(所持人)というケースでは、支払呈示期間が過ぎた場合でも、手形が無効になることはありません。
③は①に対して、手形のお金を支払うよう請求権は存在します。
しかし、手形が不渡りになったときは、③が②に対して支払請求権は損失してしまいます。
さらに、支払金融機関の記載が効力の損失をしてしまいます。
所持人③は振出人①の住まいに行き、手形の呈示をする必要があります。
このケースでは、手形交換所を経由していないために、①が支払拒否により不渡りになることはありません。
しかし、①が支払拒否や引き延ばすことも考えられますので、その場合には手形訴訟という形に持ち込むことになります。
手形の支払呈示期間が過ぎたケースは支払金融機関も支払義務がなくなりますので、事前に振出人に対して支払の同意を求める必要があります。